こんにちは、ミリオンコーチ育成専門家のmai(@maimecc)です。
私は元キャリアコンサルタントですが、低単価時代にはキャリアコーチングをしていたことがあります。
今はコーチの起業支援をしていますが、「キャリアコーチとして売っていきたい」というコーチは少なくありません。
もちろん、私も経験があるので「人のキャリアを支援する」というコンセプトに大きなやりがいがあることは重々理解しています。
今でも当時のクライアントから「あのときのmaiさんのアドバイスのおかげで理想の職場に転職できました」とお礼のメッセージをいただきます。
それくらい、キャリアコーチとは相手の人生に影響を与える仕事なのです。
しかし営利活動、ビジネスとして考えたとき、そこに一定の難しさ・限界があることも理解しておくことが重要です。
なぜならあなたの目標収入によっては、キャリアコーチングというコンセプトは不利に働くからです。
キャリアコーチが実現できない夢
ビジネスの成功は最終的に「人による」ので、キャリアコーチは100%収入に不利であるというわけではありません。
私がここでお伝えするのは、あくまで成功率が低い・難易度が高いという話です。
「キャリアコーチには実現できない夢」をまずは確認しましょう。
キャリアコーチを本職とすることで叶えることが難しい夢は、大きく分けて2つあります。
それが次の2つです。
・安定して年商1,000万を超え続ける
・法人取引をせずに生計を立てる
年商1,000万超えの安定化が難しい
世間の認識では「キャリア支援のプロ=国家資格所有のキャリアコンサルタント」なので、公共機関から仕事を受けたい場合は、資格を所有する必要があります。
そして年商数百万であれば、個人相手のキャリアコーチングでも実現可能です。
難しいのは年商1,000万を超え続けることです。
「せっかく独立起業するなら年商1000万は達成したい」
そういうコーチは少なくありません。
しかしキャリアコーチングでは、その夢の実現は難易度が高すぎると言わざるを得ません。
法人取引をせずに生計を立てることが難しい
「せっかく独立起業するなら、個人相手のコーチング提供をしたい」という人が多いです。
法人取引がビジネスの中心になると、取引先法人に何かと振り回されます。
収入を得ることができたとしても、時間や場所の自由を得にくくなり、「一人ブラック企業状態」になる人が後を絶ちません。
先ほど「年商数百万は難しくない」と伝えましたが、そのためにはSNSで常に影響力を発揮し続ける必要があります。
しかしそれをできるコーチも多数派ではないため、最終的には法人取引(研修講師業、社内カウンセリング業)に行き着くことが多いです。
あるいは「人材紹介業を並行して手掛ける」ことができれば、エージェントとして優れていれば生活費以上を稼ぐことは可能です。
紹介業が軌道に乗れば単価数百万の売上が立ちますから、収入を重視するならもっとも盤石な道と言えるかもしれません。
キャリアコーチの収入が低い3つの理由
もしあなたが「キャリアコーチとして個人相手に1000万売れるようになりたい」と思っていたとしたら、その夢を壊すようで申し訳ありません。
しかし私は、キャリアコーチとして独立起業し「食えなくなった」人を実際に多く見てきました。
独立しているにもかかわらず、複数の仕事を兼業する羽目になり、個人へのキャリアコーチングは「お金にならないから副業」……というのはよくある話なのです。
では「なぜ職業としてのキャリアコーチは生計を立てるのが難しいのか」3つの理由を説明します。
理由1:安価で解決できるサービスが豊富である
キャリアの悩みを解決してくれる安価なサービスは多数あります。
安価なキャリア相談先の候補
ハローワーク等の公共機関……無料
転職エージェントのキャリアアドバイザー……無料
民間のキャリアコンサルタント……数千円〜数万円
キャリアを相談しようと思ったとき、優秀な相談相手は多数存在します。
コーチとして安定して売れ続けるなら、最低でも1ヶ月に1契約獲得できれば、その月の生活に困らないくらいの売上が必要です。
つまり1契約数十万で売れる必要があります。
しかし世の中には安価なキャリアサービスが多数存在します。
そのような中でキャリア相談のために、あえて一個人に数十万払うかというと、単純な確率論として難しいであろうことがわかると思います。
理由2:内省力が高い人には必要がない
日頃から自分自身や自分の人生に向き合っている人には、キャリア相談はあまり効果がありません。
世の中にはやりたいことを見つけたり、自分の強みを見つけるための本や、転職やキャリアについて言及されているSNSの情報が溢れています。
たとえば病気を治すには基本的に医者や専門家の力が必要ですし、
理想的なボディメイクをするにも専門家の知識やサポートが必要です。
しかしキャリアの悩みに関しては、一定以上の層にとっては自己解決可能な領域なのです。
もちろんキャリア相談サービスがあることで、悩みを解消できて助かる人々は多くいます。
ただ相対的には、自己解決しやすい領域であるということです。
理由3:一定期間で解決可能なテーマである
「そうは言っても、1契約50万前後のキャリアサービスも存在するじゃないか」
少し業界をよく調べている方なら、そう思われたかもしれません。
実はこの3つ目の理由、「一定期間で解決可能なテーマである」が、個人がキャリアコーチとして独立起業する上での最大の難点なのです。
キャリアの悩みとは、基本的に「一過性」のものです。
もちろん歳や経験を重ねるごとに転機が訪れ、断続的に悩みが発生することはあります。
しかし基本的には悩み始めた後「解消してスッキリする」タイミングが、短くて1ヶ月後、長くても半年後にはやってきます。
要は相手へのサポートを手厚くすればするほど、かなりの短期間で契約終了になるのです。
そのような中でコーチとして売上を出し続けるにはどうしたらいいでしょうか?
常に新規顧客を獲得し続けなくてはなりません。
「常に新規顧客を獲得し続けなければならない」キャリアというテーマ上の特性が、キャリアコーチの収入を引き下げている最大の理由です。
現に世の中に展開して需要を高めているキャリア支援サービスは、コーチング業としてではなく、プラットフォーム事業として成功しています。
新規顧客を集め続けるだけの資金力か、SNSにおいて存在感をもって強い訴求力を維持できれば、キャリア支援で成功することも可能でしょう。
しかし個人としてのキャリアコーチは、ほとんどの場合それが難しいのが現状です。
こうした現実を知らないままキャリアコーチとして独立起業してしまうと、不安定な起業生活を送ることになってしまいます。
あなた自身は何を叶えたいのか?
独立起業する以上は、あなたにも目的があるはずです。
この記事では「キャリアコーチはビジネスとして難しい」という話をしました。
しかしそれでもキャリアコーチングを本業として生きていきたいなら、売上が安定しなかろうと、自由を得られなても、生きがいのためにその道を選ぶこともひとつの人生です。
しかしあなたが独立起業に「収入増と自由」を求めるなら、キャリアコーチで稼げるようになろうとすることはおすすめしません。
もし「収入増と自由」を求めるなら、別のコンセプトでコーチとして成功し、余ったお金と時間を使って、収入を左右しない活動としてキャリアコーチングを提供すると良いでしょう。
あなた自身が叶えたいことに沿うような、コーチングテーマを扱ってくださいね。