こんにちは、ミリオンコーチ育成専門家のmai(@maimecc)です。
「コーチングは怪しい」
「コーチングって宗教みたい」
「コーチングは胡散臭い」
コーチングにそうした感想を抱く人は非常に多いです。
私も他のコーチの話を聞いて「宗教かよ……」とうんざりした経験は一度や二度ではありません。
今回はコーチである私が、同業者目線で「なぜコーチングは怪しいのか」その本質的理由を紹介します。
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よくある怪しいコーチ・コーチング6種のタイプ分け
よくある怪しいコーチやコーチングの特徴を説明します。
以下のような雰囲気のコーチに出会ったら要注意です。
タイプ① 相手に世界観を押し付ける「押し付け型」
コーチによっては独特の世界観・価値観を持っています。
それは誰もが理解できるようなロジカルな話ではなく、哲学的で概念的な世界観です。
- よくわからない単語やキーワードが飛び出してくる
- コーチングを語らせると説明が長い
というのが特徴です。
コーチ自身はイキイキとしてそれらを語るのですが、求めてないのにそれを聞かされる側は、たまったものではありません。
コーチに限らず、世の中のプロフェッショナルは、相手のニーズに応えることが仕事です。
しかし怪しいコーチは、相手のニーズを無視して自分の世界観をありきで活動し、隙あらばそれを直接押し付けます。
タイプ② SNSをバズらせることに精を出す「承認欲求型」
SNSに非常に熱を注いでいるコーチもいます。
SNSは集客ツールとして利用されますが、単にフォロワーを増やす、投稿で多くの反応を獲得することを目的にしているコーチもいます。
- フォロワーを増やすために「いいね・拡散・コメント」をしまくる
- フォロワー数を増やすための活動に多くの時間を割く
- バズ狙いのために投稿内容は万人ウケの浅い内容
- 他のインフルエンサーアカウントに媚びる・おもねる
実はコーチが集客においてSNSを利用するとき、多くの人から反響を得る努力をすればするほど、ビジネスが成り立たなくなります。
ではSNSでフォロワー獲得を頑張ってるコーチは何をしているかといえば、承認欲求を満たすために頑張っているということです。
(フォロワーを増やすことが集客に繋がると勘違いしているコーチもいますが)
承認欲求を満たすために、万人ウケの浅い投稿を繰り返すため、「パッと見で怪しい」というのが分かりやすい点です。
タイプ③ コーチングを執拗に勧める「宗教勧誘型」
コーチングを人に勧めるとき、以下のような文言を使う人がとても多いです。
- コーチングは人生が変わる、素晴らしい
- あなたみたいな悩みを抱えてる人ほどコーチングを受けてほしい
- コーチングを受けることで生きやすくなった
- とりあえずコーチングを受けてみればわかる
「とにかく良いらしい」ということは伝わりますが、具体的に何がどう良いのかわかりませんよね。
曖昧なまま「とりあえず受けてみて」と言われても、なんだか胡散臭く感じます。
曖昧で抽象的な話・手放しの絶賛・「とりあえず受けて」という勧誘の3点が揃うと、宗教勧誘じみきます。こうしたコーチの話は避けたほうが無難です。
タイプ④ コーチングを過大評価している「盲目型」
怪しいコーチは、まるでコーチングが万能薬であるかのように啓蒙しがちですが、実際のところコーチングでできることは「メンタルが健康で、知識・技術がそれなりにある人の動機付けと行動促進」です。
「過去〜現在に課題がある」クライアントであれば「生きやすくなる」「前向きになる」という効果が必要ですが、悩みが重ければ重いほど、コーチングではなくカウンセリングが妥当です。
コーチングのような相手に主体性を求めるアプローチは、重い悩みを抱えるクライアントにとって負担だからですね。
「高い目標を達成したい」クライアントであれば、達成のために不足している知識や技術を補う必要があるので、コーチングではなくティーチングが必要です。
コーチングのような質問主体のアプローチでは、非効率な選択と行動を促すリスクがあり、クライアントを迷走させるだけだからです。
このように『対人支援』という括りで見ても、コーチングがまともに機能するケースはごく僅かであることがわかります。
コーチングは万能ではありません。なんでもかんでもコーチングを受けさせて解決しようとするコーチは、やはり怪しいです。
タイプ⑤ コーチ同士の仲間意識だけは強い「仲良しサークル型」
多くのコーチはコーチングスクールを卒業して世の中に排出されているので、コーチングスクールの仲間・同期がいることが多いです。
しかし卒業してからいつまでたっても、クライアントに価値を提供するのではなく、仲間内で楽しく過ごしている様子はよく見受けられます。
それが悪いというわけではないのですが、「やっぱりコーチングって素晴らしいよね!」というやりとりをSNS上などでしているので、蚊帳の外である一般人から見ると、怪しい何かにハマっている集団に見えてしまっても仕方ありません。
プロとして巣立てずにいるコーチの群れが怪しく見える、というのはよくある話です。
タイプ⑥ なんでもかんでも肯定・共感する「無責任型」
対人支援において肯定(受容)・共感はよくあるアプローチですが、専門性を持たないコーチだと、なんでもかんでも肯定・共感することがあります。
- 今のままのあなたで大丈夫
- あなたは十分よくやってるよ
- ツラい思いをして大変だったね
こうした言葉かけは、相手の状況によってはもちろん重要ですが、この対応がデフォルトだと一気に怪しさが増します。
なぜなら、これらの言葉はメンタルケアが必要な相手には大切ですが、そうでない相手に対しては、単なる思考停止・行動停止の推奨、間違いから目を向けることへの肯定でしかないからです。
メンタルが健康で、新たな変化を遂げたい相手は、今の自分から脱皮し、目の前の現実を変えたいわけです。
それを「今のままで素晴らしい」というのは、決して優しさではありません。
クライアントに、拍子抜けされてしまうか、気味が悪く感じられてしまっても仕方ありません。
そうでなくても、クライアントが成長を止めるようなことがあればコーチの責任は大きいです。
コーチングが怪しいのではなく、怪しいコーチが多い
実はコーチングそのものは決して怪しいものではありません。
コーチングの発祥はヨーロッパの町名に由来しますが、その後コーチという仕事はスポーツや学習指導に発展していきました。
あなたはオリンピック選手のコーチを怪しいと思いますか?
学習指導塾の先生を怪しいと思いますか?
きっとそうは思いませんよね。立派な職業であると感じるはずです。
そもそも本来的なコーチというのは怪しいものではなく、他者を特定のゴールへ導く役目を負う仕事として成り立っていました。
オリンピック選手のコーチであれば、オリンピック優勝へ。
学習指導塾の先生であれば、受験合格へ。
それが本来のコーチングの原型なのです。
これがどういうことかというと、世の中には怪しいと感じるコーチングと怪しくないと感じるコーチングがあるということです。
つまり、怪しいかどうかはコーチングを実施するコーチによって大きく異なるということですね。
では世の中から怪しいと言われるコーチングとは、一体どのようなコーチングなのでしょうか?
コーチングスクールの教えが怪しいコーチを生んでいる
コーチングは質問を中心とした「対話」から成り立つ、コミュニケーション技法のひとつです。
コーチはコーチングスクールで、「答えは相手の中にあるので、原則として教えてはいけない」という指導を受けます。
そして同時に「答えは相手の中にあるので、コーチが知識を持っている必要はない」として、学べば誰にでもできるものであると言われています。
極端な話、新卒1年目でも経営者をコーチングできるし、サラリーマンでも起業家をコーチングできるという話なのです。
コーチングの役割は「質問によって相手に新たな気付きを与え、主体的な行動を促す」ということを重要視するので、立場も知識も関係がないということですね。
本当に相手の中に答えはあるのか?
ではコーチングスクールの教えの通り、本当に教える必要なく、答えは相手の中にあるのでしょうか?
たとえばオリンピック選手のコーチは、少なくともオリンピックのレベルと必要な技量を知っている人がコーチとしてつきます。
それは、オリンピック選手のなかに、オリンピックに行くための知識や答えがないからです。
学習指導塾では、受験に合格するために必要な知識や学習レベルを知っている人が指導者につきます。
それは受験生のなかに、受験に受かるための知識や答えがないからです。
オリンピック選手のコーチや学習指導塾の教師は、決して、
「答えは相手の中にあるので、原則として教えてはいけない」
「答えは相手の中にあるので、コーチが知識を持っている必要はない」
というスタンスでコーチングをしていないはずですね。
つまり、「教えてはいけない」「知識はいらない」とコーチングスクールに甘やかされ、他者を特定のゴールへ導くという役割を全うすることを放棄したコーチがとても多いのです。
こうした質問を中心とした対話に終始しているコーチが、周囲に「何のために何をやっているのかよくわからない」「言ってることが曖昧」という印象を与えてしまい、「怪しいコーチ」と言われています。
相手の中にあるのは、近くて簡単なゴールへの答えだけ
とはいえ、相手の中に答えがある場合もあります。
- 本当はどんな人生を送りたいのか
- 自分がやりたいことは何か
- どうして気分がスッキリしないのか
このようなテーマは、相手の中に答えがあります。気付いてないだけ・整理できてないだけだからです。
相手に問いかけ、相手の価値観、感情に対して内省を促し、思考を整理し、気付きを与えて、行動を促進させることが可能です。
しかしこれは、カウンセリングでも類似したアプローチを行います。
コーチングの特徴は「行動」に結びつける点にありますが(カウンセリングを必要とするようなメンタルが万全ではない人に「行動」は負担なので)、そこに行き着くまでのアプローチは類似しています。
これでは「元気な人はコーチングを受けて、元気がない人はカウンセリング受けてね」くらいの差しかありません。
その上「行動」にすら結び付けないコーチも多いので、対人支援の形態として境界線が非常に曖昧なのです。
拡大が行き詰まっていたコーチング業界
コーチングは「怪しい」という風評が付き纏い続け、
一部のエグゼクティブ層しか高価なコーチングを受けないという構図は長年続き、
コーチング業界の発展は緩やかなものでした。
エグゼクティブが質問主体のコーチングを必要とするのには理由があります。
悩みを経営者仲間や役員に気軽に話せない孤独と、その孤独により狭まる視野が、事業の成長にダイレクトに影響してしまうからです。
第三者からの質問は、会社の成長のために欠かせないと言っても過言ではないでしょう。
しかしそれだけでは、客層はごく一部です。
そのままでは業界の拡大は困難であることは明らかでした。
普及拡大のためには、コーチングを普通の人にも手出ししやすい位置づけにする必要があったのです。
コンサルティングやカウンセリングと『棲み分け』するためのマーケティングの結果
コーチングがコンサルティングやカウンセリングとどう違うのか?というのは依然として曖昧なままでした。
なぜなら、傾聴も質問もフィードバックも、コーチングで主体となるコミュニケーション技法は、コンサルティングやカウンセリングでも常用する技法だからです。
そこでコーチングを
- 現在から未来にフォーカスする(カウンセリングは過去へフォーカス)
- 質問主体で「教えない」(ティーチングやコンサルティングは教え・提案主体)
という大枠の差別化を図ったのです。
それでも「時として教えは必要である」という教えは存在していました。
今でも、真っ当なスクールであれば、そう教えられているはずです。
しかし「教えてはいけない」という極端なことを言い出すスクールが増え、「コーチングは教えない」というコーチが多数輩出され続け、抽象的で怪しいコーチが増えて現在に至ります。
結果としてコーチは
- 質問主体なので教える必要がなく、専門知識も不要
- 簡単で手近なゴールを扱うのでコミットメントの責任が軽い
- 資格不要なのでいつでも誰にでもできる
- メンタルの健康状態が良い人を相手にするので、支援サイドの精神的負担が軽い
という、
ティーチングやコンサルティングよりも簡単で、
カウンセリングよりも気軽で、
コミットメント型のスポーツトレーナー等のコーチより責任が軽い、
誰にでもできる・なれる、ハードルが無いも同然の職業と認識されて、多くの人が殺到するようになりました。
近年ではコーチングスクールの低額化も進み、この傾向は日々強まっている印象です。
怪しくないコーチの見分け方と条件
では、どうすれば怪しくないコーチを見分けることができるのでしょうか?
その前に、まずは前提としてコーチングを受ける目的が重要です。
オリンピック選手なら、オリンピックに出るため。
受験生なら、受験に合格するためといった目的が存在します。
「コーチングを受けることでどこへ辿り着きたいのか?」といった目的を受ける側が明確に持つことが大切です。
特定の目的地へ届けることを使命としているコーチは、英語コーチ、経営コーチ、起業コーチ、ダイエットコーチ、婚活コーチ、SNSコーチなど、具体的なテーマを掲げて活動しています。
辿り着きたい場所に合わせて、上記のようなコーチを選ぶと良いでしょう。
では改めて、怪しくないコーチとはどんなコーチでしょうか?
「サービステーマが抽象的ではないコーチ」
これに尽きます。
抽象的なコーチは
「目標を達成させます」
「モヤモヤをすっきりさせます」
「自分らしさを叶えます」
といった曖昧なテーマを掲げています。
つまり、コーチング受けることで自分がどのような成長と成果を得られるのかが、一目でよくわからないのです。
こうしたテーマを掲げている場合は、大抵「教える」ことをタブー視し、あなたの中にある答えを引き出そうとするケースが多いです。
この場合、受ける側の夢や理想が現実とギャップが大きいほど、必要な専門知識を得られないので、ほとんど前進せずに終わります。
このようなコーチングはとても安価で手出ししやすいです。
なので気軽に受けることができます。
反対に、特定のゴールへ連れていくコーチはとても高価です。
オリンピック選手コーチや学習指導者がそうであるように、持てる知識と技術を駆使して相手に成果を出してもらえるよう努めるので、その価値を安価で売ることはしません。
どちらにお金をかけるかは人それぞれですが、安物買いの銭失いは、お金と同時に時間も失います。
「望む到達地点に合致したテーマを専門にしているコーチ」を探し出し、依頼することが、結果的にお金も時間も最小限で澄みます。
怪しいコーチと怪しくないコーチをしっかり見極めて、理想的なコーチと契約してくださいね。